河内七墓詣りあべこべルポ

 額同墓地

 瓢箪山でバス乗り替え、チャンネル班は不在。額田西口でバスを降りたら、そろばんチャンネルの旗をなびかせた自動車、バスの後ろに停車。我々のバスについてきたようす。

 これより同行二回目の、K母の案内で額田墓地に到着。

 六回目参拝のTは方向音痴、いつ迄たっても案内できず、これでは七回参っても、ころりと死ねないで、うろうろと死の道で迷うのではないかな。地獄の道と極楽の道も間違えて、血の池地獄でこんな筈ではなかったと、「蜘蛛さん糸を垂らしてきて――」と天井眺めて拝んでいる図が、当りだなあ。

 ぎおんさんと迎え仏さんと六地蔵さんと隅の方の無縁仏とお詣りしてようやく残り線香三束となり、半分お参りしたなあとホッとする。

 次は近鉄額田駅に向う。

 この道急坂、太っているHさん少々グロッキー、暑気当りかな、lさんも少し足が痛いらしい。K母荷物持ち。

 撮影班も歩く。

T「そのカメラ目方は?」

青シャツ「二貫目」

T「思ったより軽いのね」

 不注意な言葉をはく。暫く考えて、

T「キロでいくらくらい」

青シャツ「八キロ」

T「わあ、重いのね」

 数字が多くなると重く感じるとは、少しお脳がお弱いのではないか。相変らず青白くっついて、重い荷を肩にタッタッタッタッ、汗びっしより、偉いなあ。

K子「おばさんのスカート長いなあ」

T「きついのはいてくるとしんどいから、ウエストがゆるくてずりおちてんのよ。格好なんか、かもうてられるかいね。参る度に一番楽な服に靴考えて着てるのよ」

H「ズボンは案外ですな、汗で足にくっついて窮屈々々」

Y「いゝかなと思ってはいてきたけど、lさんおいどまで濡れてきてますわ」

I「今年は一番えらいです」

S「Cシャツさんもチョッキ脱がはったらよろしいのにね。あんなに汗にじんでる」

T「それはあかんの、あれはおしゃれの為、脱いだらお腹の出張ってるのが目立つやないの」

S「ほんと?」

青シャツ「もうえゝ加減疲れたはる格好とろうと思うてるのに、皆さん一向疲れがでませんな」

S「疲れてしませんで」

Cシャツ「カメラの前だけニコニコとええ格好したはんのと違いまっか」

J「まあそんな所やね」

 額田より、撮影隊も一緒に近鉄電車に乗車、冷房車でホッとする。

 岩田墓地

河内七墓詣りあべこべルポ Cシャツ「この次はどちらですか」

I「岩田墓地です」

 最年長のlさんにCシャツ、インタビュー。

 君江岩田下車。商店街を共に歩く。小学生の一団とも交って。

 空の雲ゆきあやしく、時々遠雷の音。岩田墓地無事参拝。大粒の雨がポツリポツリ、大雷、商店街たちまち無人の境。

 いつも休む氷屋に入って雨宿りとする。この氷の何と美味なることよ。撮影班三人もビールに喉をうるほす。

Cシャツ「これで我々も一回参ったことになりますなあ」

K母「自動車に乗ってるけど」

T「まあ!重い荷物をかついで偉いでしたなあ、一回ということになりますよ。全部ついてきやはるとは思ってなかった。恩智と垣内ぐらいで後は車でさあっと写して廻らはるのかと思うてましたの」

 荒馬墓地

 Hさんの熱射病も回復、雨も殆ど止み、岩田より近鉄にて長瀬下車荒馬墓地へ。参拝を終っても、天に突出した高い高い焼場の煙突を仰いでいても、行基井戸の冷水を何回呑んでも、氷屋で別れた、そろばんチャンネル到着せず、去ろうとした所へやっと車来る、電車の方が早かったわけ。

 我々一行志紀行バス停で、バス待ち時間中、思い思いに石に腰掛けたり、歩道の標の端に掛けたり足をほうり出して待つ間、割り合早くバスが来て乗車。

 バスの前を、そろばんチャンネル旗をはためかせた車行く。

S「さっきみたいにバスの後ろからついてきたら、迷えへんのにね」

 其のうちにいなくなる。

 植松墓地

 ようやく最後の植松墓地に着いたのは六時、いつもより一時間以上遅れる。

Cシャツ「バス停で皆へたばったはりましたなあ」

一同「あんな所写さはったらよかったのに」

 五輪塔前で、又々並んでお別れ記念撮影、素直なる出演者よ。

 一人一人に、

Cシャツ「又来年もお詣りになりますか」

皆「ええ、お詣りしたいと思います」

J「全部歩いていってみたい」

T「へえ―――」

S「自転車やったらじきまわれるわ」

 さてこの後は如何相成りまするか、来年のお楽しみ。

 一番辛い坂道の登りと、愛宕塚前より降る小道と、そして一区間のバス、一墓分の電車、どういうふうに勉強して、道行する道を選択しやはったのか後で考えてみるとなかなか上手に選んである。

 一度もいったことのない道を、Jさんに借りた地図だけで、こんなに無駄のない、ルポルタージュ撮影班のスケジュールをたてた、Cシャツ君か、登り坂も、一人しか通れない小道もトラブルなしに、一体となってタッタッタッと歩かれた青シャツ白シャツ君達の行動や、その意欲的な活動力に、大いに脱帽する。百聞は見にしかずと。


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